ネパール王国 Kingdom of Nepal

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【テロ概要】
1.概況


 ネパールでは、過去、1996年より約10年間、反政府武装組織であったマオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)が全国的にテロ活動を行っていましたが、マオイストが2006年4月26日に停戦を表明したことを受け、政府との和平交渉が開始され、同年11月21日包括的和平協定が締結されました。その後、マオイストは、民主化・平和構築プロセスに参加し、2007年、マオイスト及びネパール国軍の武器管理が行われたほか、暫定憲法が公布されるとともに、マオイストが参加する形で暫定議会、暫定政府が発足しました。さらに、2008年4月10日に実施された制憲議会選挙ではマオイストが大勝し、同党主導の連立政権が樹立しました。今後、マオイスト傘下の人民解放軍(PLA)の国軍への統合問題や新憲法の制定作業といった和平プロセスの主要課題への取組が本格化する見通しとなっています。
 一方、マオイスト主導の和平プロセスは必ずしも順調な進展をみせてはおらず、この先も政局の混迷等様々な困難が予想されています。また現在も、一部地域においては、マオイスト傘下のYoung Communist League (YCL)等の過激なグループや、2006年にマオイストから分派したタライ人民解放戦線及びタライ武装グループ等が暴力行為や小規模なテロ活動を行っています。


2.マオイストの活動状況


(1)過去において、マオイストは、毛沢東主義に基づき、王制廃止、共和制確立及び社会主義経済社会構築を目指して1996年2月に武力闘争を開始しました。この武力闘争の結果、停戦合意がなされた2006年4月までの約10年間で14,000人以上の死者が発生したとされています。

(2)一方、現在も、一部地域においては、YCL等過激なグループが、企業及び一般人等への金銭要求、輸送業者、トレッカー等からの寄付金の強制徴収を継続している事例も見受けられ、引き続き注意が必要です。また、2006年にマオイストから分派したタライ人民解放戦線及びタライ武装グループ等の武装グループが小規模なテロ活動を開始しています。

(3)なお、イスラム過激派を含めて国際テロ組織の活動は確認されていません。


3.誘拐事件の発生状況


 マオイストによる武力闘争が続けられていた当初、山間部を中心に年間500件を越す誘拐事件が発生していましたが、2006年4月の停戦合意後は、散発的にYCLがビジネスマンを誘拐する等の事件が見られるものの、その数は年間10数件程度と大幅に減少しています。また、外国人を営利目的で誘拐する事件は発生していません。


4.日本人、日本権益に対する脅威


 マオイストは日本人を含む外国人をテロの標的にしないことを明らかにしており、ネパールにおいて日本人及び日本関連施設がテロの直接の標的になる可能性は低いとみられます。


<2008年12月末現在>


(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、社団法人海外邦人安全協会が、外務省から提供された2008年12月末現在の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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